高松高等裁判所 昭和63年(ラ)25号 決定 1988年3月10日
抗告人 栗林光次郎
右代理人弁護士 一色平格
相手方 上野鶴繁
主文
本件抗告を棄却する。
抗告費用は抗告人の負担とする。
理由
一 抗告の趣旨及び理由
本件抗告の趣旨は原各決定の取消を求めるというのであり、その理由は別紙抗告の理由記載のとおりである。
二 当裁判所の判断
1 本件抗告理由は執行債権の不存在を原因として原各決定の取消を主張するものであるが、右事由は民事執行法三五条による請求異議の訴によるべきもので、執行抗告の理由とすることはできない。もっとも、抗告人が右請求異議の訴を提起し、執行停止決定を得たのち右決定正本を執行裁判所に提出したことを主張し、かつ、その事実があるときは、当裁判所は同法一五九条六項により右停止決定の効力が存する間、本件抗告中転付命令関係部分に対する裁判を留保しなければならないが、抗告人は適法な抗告理由中においてはもとより、その後においても右主張をしていない。結局、本件抗告理由は採用できない。
2 また、記録を調べても原各決定を取り消すべき法令違反又は事実誤認は認められない。
3 よって、本件抗告は理由がないからこれを棄却し、抗告費用は抗告人の負担として、主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官 高田政彦 裁判官 早井博昭 上野利隆)
<以下省略>